2007年5月22日火曜日

アスクルのあれこれ

アスクルは一言でいうと、文具・事務用品全般などを主に扱う通信販売の会社。文具・事務用品以外にも、その取扱商品は衣料品・食料品など多岐に渡っている。主要株主は、大手文具・事務用品メーカー「プラス株式会社」。本社は東京にあり、物流センターが横浜・大阪・仙台・福岡・名古屋などの各主要都市に置かれている。

アスクルの一番の特徴は、なんといっても「注文した翌日に配達をしてくれること」。「明日に来る」というところから「アスクル」という企業名が考案された。事務用品をカタログから選び、ファックスやインターネットで注文し、翌日あるいは当日に届けてくれるという画期的なサービスがウリ。その顧客も現在、企業にとどまらず、一般の個人にまで対象が拡がっている。

アスクルの歴史は、1993年3月にスタート。その時点では、あくまで「株式会社プラス」の一事業部門にすぎなかったが、1997年5月に分社独立した。事業成績も着実に伸びており、1994年5月時点では2億円ほどだった年間売り上げ高は、2006年5月現在で1616億円を達成するまでになっている。

アスクルという会社が誕生するに至った背景は、文具・事務用品市場の流通形態にある。他の分野の流通経路と同じように文具・事務用品業界も、メーカー~卸売業者(卸業者が複数介在する場合もある)~小売店~消費者というルートとなっているわけだが、文具・事務用品を企業が購入する際において、当時、大企業と中小企業とでは利便性の面で圧倒的な格差が生じていた。というのは、大企業が文具・事務用品を購入する際には、外商担当の営業マンがついていて直接注文を受け、割引やアフターケアなどのサービスの点でも優遇されることが多かった。一方、中小企業の場合はというと、個人が街の文具店に買いに行くのと同様、近くの店に出向いて、定価で買ってくるというような状況であった。そこで、文具・事務用品の販売額の約75%を占めるといわれる企業向け市場における流通経路の利便性を高め、低価格の実現・サービスの向上つなげるべく、「株式会社プラス」の中でプロジェクトが立ち上げられたのである。そのプロジェクトの流れを汲んで誕生したのが、現在のアスクルということになる。

アスクルは、このようにして独自の流通システムを立ち上げ、現在では、「株式会社プラス」の製品のみならず、他社の製品、および文具・事務用品以外の分野の商品も扱っている他、その顧客層も企業のみならず個人にまで拡大させている。