アスクル社が今でも成長し続ける理由を、今度はアスクル社社長の発言と共に見ていきます。アスクルがビジネスを組み立てる際に一番考えたことは、お客様のためにアスクルは何ができるかという発想だったそうです。商品をいかに売り込んでいくかを考える人が多い中で、売り手の立場ではなく、お客様は何を望んでいるのかということを中心に考えて、お客様の声を聴き、自分たちを変えていったことがビジネスを組み立てる際の最大のポイントだったそうです。
アスクル社が最初は少人数で会社を始めた時からお客様を第一に考え、常にお客様と向き合ってきたことで本当にお客様が求めることを肌で感じてきたそうです。お客様の意見は当初問い合わせよりも苦情が多かったということで改善策を考えました。
アスクル社社長は社内で最も前向きで元気な社員を集め、お客様センターを会社の真ん中に置き、最も日の当たる場所にすべくプロジェクトを立ち上げたそうです。会社の真ん中にカスタマーリレーションシップセンターを作り、それに合わせてオフィスレイアウトを考え、お客様と常に接しているという意識を社内に浸透させることで、社内全体でサポートシステムを作り上げていきました。
アスクルのカスタマーリレーションシップセンターの特徴は、お客様から電話がかかってきたらすぐにダイアル表示でその番号のお客様データをコンピューターが呼び出して、電話を取る頃にはお客様のプロフィールや商品購入履歴、応対履歴などを画面に表示させるようになっています。会話記録も残っているそうです。かつてクレームの電話をかけてきたお客様に対してはどのように気持ちを込めて話をするかを心がけることで、お客様の満足感が違ってくるからだそうです。
アスクル社のカスタマーリレーションシップセンターシステムは、ただシステムを導入して満足しただけでなく、そのシステムをしっかりと利用しながらお客様との対応ができるよう常に意識してよりよい関係を築く努力をし続けているのです。カスタマーリレーションシップセンターのキーワードは、「お客様に二度と同じ事を言わせない」だそうです。会社の損得を最優先に考えず、常に顧客優先主義であることが、アスクル社の成長を支えているのです。